
2020/05/12更新
【新型コロナ】凝固線溶系の異常が予後に大きな影響
文責: 嶋崎 幸生
####凝固線溶系(血液の止まりやすさ、止まりにくさ)の異常が予後に大きな影響を与える
- Tang N, et al. Abnormal coagulation parameters are associated with poor prognosis in patients with novel corona virus pneumonia. J Thromb Haemost DOI: 10.1111/jth.14768.
- Thachil J, et al. ISTH interim guidance on recognition and management of coagulopathy in COVID-19. J Thromb Haemost DOI: 10.1111/jth.14810.
- 丸藤 哲、血栓止血学から見たCOVID-19の診断と治療戦略
Tangの報告1を端緒として、国際血栓止血学会は、新型コロナウイルス感染症における凝固線溶(血液の止まりやすさ、止まりにくさ)の異常に対する暫定的対応方針を公表しました。2 現在、凝固線溶(血液の止まりやすさ、止まりにくさ)の異常が新型コロナウイルス感染症の病態に深く関わり、予後に大きな影響を与えることが明らかになってきています。
日本でも、酸素飽和度、CT画像所見などに加えて、D-ダイマーという血液検査値を重症化の評価指標に加えることが妥当と考えられるようになりました。 国際血栓止血学会の暫定的対応方針より、D-ダイマーの4倍以上の上昇で入院が考慮されています。3
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。