
2021/02/18更新
ウイルス感染後の診断名
文責: 平畑 光一
新型コロナウイルスを筆頭として、さまざまなウイルスで感染後に倦怠感その他の症状が出ることが知られています。
海外では状態に応じて診断名が使い分けられていますが、日本ではあまり一般的ではないため、混乱しがちかと思います。
それらの診断名について、私の理解している範囲でご紹介いたします。
なお、主にMEpediaを参照しています。
ウイルス感染後に症状が続く場合の診断名
- ME/CFSの診断基準に合致しない所見で、6か月未満のもの:
- 疲労だけ:idiopathic chronic fatigue(特発性慢性疲労)
- 息切れなど様々な症状あり:Post-viral syndrome(ウイルス感染後症候群)
- ME/CFSの診断基準に合致しない所見で、6か月以上:chronic fatigue(ウイルス感染後慢性疲労)
- ME/CFSの診断基準に合致:ME/CFS
なお、罹患期間が6か月以下でもinternational Consensus Criteria に従えば、ME/CFSと診断できる。
その他、カナダ基準でも、予備診断はできることになっている。
Postviral fatigue syndrome(ウイルス感染後疲労症候群)について
Postviral fatigue syndromeという診断名は今はあまり使われていない。
ME/CFSと同意としている国もあるが、アメリカでは違うものとして扱われている様子。
使わない方が無難。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。