
2020/05/10更新
【新型コロナ】中国の小児の軽症率は51.0%
文責: 平畑 光一
####論文
TY. Dong, et. al. Epidemiology of COVID-19 among children in China. Pediatrics, 145(6), June 2020:e20200702.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32179660/
中国疾病管理予防センターに報告された小児のCOVID-19患者についての論文。
####要点
- 2020/1/16~2020/2/8の症例
- 確定例 728 例(34.1%)、疑診例 1407 例(65.9%)
- 年齢の中央値は7歳
- 56.6%が男児
- 90%以上が無症状~中等症
- 無症状は4.4%
- 軽症は51.0%
- 発症から診断までの期間の中央値は2日(0-42 日)
####コメント
「小児は軽症のことが多い」と言われていますが、「軽症が51%」は思ったより少ない、と感じられる方も多いかもしれません。 当然ですが**「小児だからかかっても大丈夫」などということはありません**。
しっかり手荒いをしてもらうことはとても大切です。
軽症の症状として、論文中では**「急性上気道感染、発熱、倦怠感、筋肉痛、咳、咽頭痛、鼻水、くしゃみ。 咽頭炎はあるが聴診で異常なし。 ケースによっては熱がなかったり、消化器症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢)だけだった」**とされています。
PCR検査陰性の微熱患者さんたちと似た症状です。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。