
【新型コロナ】潜伏期間は? 2週間以降も注意が必要
文責: 積山 慧美里
####論文
Stephen A. Lauer, et al. The Incubation Period of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) From Publicly Reported Confirmed Cases: Estimation and Application Ann Intern Med. 5 May 2020 https://doi.org/10.7326/M20-0504
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-0504
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の潜伏期間の情報は、公衆衛生上も非常に重要ですが、個人レベルの対策においても大切になります。 中国での潜伏期間を調査した論文の紹介します。
####要約
- 対象:中国の武漢、湖北省以外の地域で2020年1月4日から2020年2月24日までにCOVID-19感染が確定した患者、181例
- 解析項目:SARS-COV-2への暴露が推定される時期・症状発現時期・発熱時期・OVID-19感染診断の時期
結果
- SARS-CoV-2の潜伏期間は平均5.1日(4.5日-5.8日)
- 症状発現から病院受診までは平均1.2日(0.2日-29.9日)
- 97.5%の症例で、SARS-COV-2暴露後から11.5日(8.2日-15.6日)までに症状発現した。
- 97.5%の症例で、SARS-COV-2暴露後から12.5日(8.2日-17.7日)までに発熱を呈した。
- 少な目に評価しても、10000人のうち101人は14日間の積極的監視や隔離後に発症した
####コメント
潜伏期間は平均5日で、ほとんどの症例が感染暴露から12日以内に症状出現しているため、これまでの指針通り暴露後14日間の隔離は妥当であると思われます。
しかし14日後以降に症状発現した症例も認められています。
新型コロナウイルスへの暴露が疑われたら、14日間は特に体調変化に注意し、その後も症状発現時は医療機関に相談することが大切です。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。