
2020/05/22更新
【新型コロナと他疾患】血圧の薬は続けてください
文責: 嶋崎 幸生
####論文
Mandeep R. Mehra, M.D.et al. Cardiovascular Disease, Drug Therapy, and Mortality in Covid-19.
DOI: 10.1056/NEJMoa2007621
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007621
米国の多施設共同研究。
代表的な高血圧の薬であるACE阻害薬やARBは新型コロナウイルス感染症例の院内死亡率を増加させなかったことを報告した論文。。
####解説
新型コロナウイルスは、心血管系と免疫系において極めて重要な役割を担っているACE2という物質に対する細胞表面の受容体に結合して感染します。
そのため、一部の研究者は、新型コロナウイルスとACE阻害薬やARBなどの降圧薬との関連を指摘していますが、欧州心臓病学会は、高血圧を有する新型コロナウイルス感染症例においてACE阻害薬やARBなどの降圧薬を変更の必要はないとしています 。
上記の関連に限らず、現在、高血圧の薬を服用中で不安な方、ご質問のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。