
2020/05/25更新
【新型コロナと他疾患】COPDが危険。ぜひ禁煙を
文責: 大倉 遊
####論文
The impact of COPD and smoking history on the severity of COVID‐19: A systemic review and meta‐analysis
Qianwen Zhao et al.
J Med Virol. 2020 Apr 15. doi: 10.1002/jmv.25889. Online ahead of print.
https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/preventing-the-spread-of-the-coronavirus
COVID-19の重症度と慢性閉塞性肺疾患(COPD), 喫煙歴との関連を示した中国からのメタアナリシス論文です。
COPDは、タバコで肺が破壊された状態のことを言います。 新型コロナウイルスに関連して、禁煙が強く勧められていますが、どの程度危険性が高いのでしょうか。
####要点
- 2019年12月から2020年3月まで、PubMed, Web of Science, Cochrane, WanFang Database, CNKの5つのデータベースを基にしたメタアナリシス
- COPDの既往、喫煙歴のあるCOVID-19患者を対象とした11の研究。
- 対象:2002人の患者。内、334人がCOVID-19 重症患者。
- COVID-19重症化との関係
COPD:オッズ比 4.38; 95%信頼区間:2.34-8.20
喫煙者:オッズ比 1.98; 95%信頼区間:1.29-3.05 - COPDを有する患者、喫煙中の患者が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する危険性がある。
####コメント
- 喫煙者でCOPDを有している患者は、COPDの無い患者と比較して、新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが4倍以上高い
- 喫煙者や、すでにCOPDと診断されている方は、より一層感染予防に努めることが大切
- 喫煙者でまだCOPDと診断されていない方でも、今回の新型コロナウイルス感染の流行を機に、禁煙することをお勧めいたします
- 禁煙外来も行なっておりますので、ご不明なことがある方、禁煙希望の方は御相談ください。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。