
【新型コロナ】最前線ほど感染率は低い?
文責: 名越 真理子
Coronavirus Disease 2019 (COVID-2019) Infection Among Health Care Workers and Implications for Prevention Measures in a Tertiary Hospital in Wuhan, China
Xiaoquan Lai et al.
JAMA Netw Open. 2020;3(5):e209666. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.9666 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S154235652030481X
武漢の3次医療機関の9,684人の医療従事者の感染率を調べた論文です
####結果
発熱外来/病棟の医療従事者の感染率:0.5%
それ以外の医療従事者の感染率:1.4%
####ニューヨークのニュース
2020/5/7の米国ニューヨーク州のクオモ知事の記者会見のニュースをご紹介します。
医療従事者は陽性割合低く NY州の抗体検査|共同通信
「州内の医療従事者に対して感染歴を調べる抗体検査を行った(中略)検査は約2万7千人の医療従事者に実施。ニューヨーク市では陽性の割合は約12%で、一般市民の約20%と比べて低かった。」
####コメント
日本では、医療従事者に対する差別が大きな問題となっています。
(参考資料)
医療従事者への偏見・差別が深刻…新型コロナ対策の目標は「正しく対策を取ること」
####医療関係者への偏見や差別|神奈川県医師会
さまざまな背景があり、上記の論文や調査結果だけで一概に言えない部分もありますが、専門の教育とトレーニングを受けているエキスパートであればあるほど、感染の可能性が下がるということは言えるように思います。
報道各社には、そのことを繰り返し伝えていただきたいと思っています。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。