
新型コロナのワクチン開発状況
文責: 神山 ほなみ
Coronavirus Vaccine Tracker|NewYorkTimes
新型コロナウイルスに対して、現在世界中で155を超えるワクチンが開発されています。
そのうちの23が人を対象とした臨床試験に進んでいます。
通常はワクチンの開発は何年もかかって一般に使用できるようになりますが、科学者は来年までに安全で効果のあるワクチンを製造しようと競い合っています。
SARS-Cov-2遺伝子解読が1月に始まり、最初のワクチンの安全性試験が始まったのが3月でしたが、今後の道のりは依然として不透明です。
慎重な臨床試験が重ねられて検証され、安全性の高い効果的なワクチンが出来上がるのですが、まずこの過程を説明いたします。
研究室から臨床までのワクチンの開発サイクル
- 動物実験: 科学者はマウスやサルなどの動物にワクチンを投与して免疫応答が生じるかどうか確認します。
- PhaseⅠ(安全性試験): 少人数の人に与えて安全性と投与量をテストし、免疫システムを刺激することを確認します。
- PhaseⅡ(拡大試験): ワクチンを子どもや高齢者のグループに分けられた何百人のもの人々に与え、ワクチンの効果が異なるか確認します。安全性と免疫系を刺激する能力をさらに確認します。
- PhaseⅢ(有効性試験): 数千人にワクチンを与え、プラセボを受けたボランテイアと比較します。
現在開発中のワクチンの種類について
- 遺伝子ワクチン: コロナウイルス自身の遺伝子の一つ以上を使用して免疫応答を誘発するワクチン
- ウイルスヴェクターワクチン: ウイルスを使用してコロナ遺伝子を細胞に送信し免疫応答を誘導するワクチン
→アストラゼネカとオクスフォード大学が開発中のワクチンはChAdOx1と呼ばれるチンパンジーアデノウイルスに基づいており、イギリスではPhaseⅡ/Ⅲ試験、ブラジルと南アフリカではPhaseⅢ試験にあり、10月には緊急的にワクチンを提供するかもしれません。 3. タンパク質ベースのワクチン: コロナウイルスのタンパク質断片を使用して免疫応答を誘発するワクチン
現在上記2.のワクチンが一番早く認可されるかもしれません。
先日も日本で既感染者の中から中和抗体を確認できたとの報告があり、明るい兆しも見えています。
ワクチンの開発を待ちつつ安全な生活を心がけ、十分な睡眠、正しい食事、有酸素運動とレジスタンス運動を心がけましょう。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。