新型コロナ感染症・後遺症の記事

2020/10/05更新

新型コロナ後遺症疑い症例の、入眠直前の呼吸停止

文責: 平畑 光一

新型コロナ感染の後遺症(疑い)の方々で、眠りに入る直前に息が止まり、目が覚めてしまうという方が多くいらっしゃるようです。
関連の文献はまだ見つけられていませんが、twitterで「何人かそういう方がいらっしゃる」とつぶやいたところ、かなり多数の方から「自分もそうである(そうだった)」とのお声をいただけました。

中枢性睡眠時無呼吸?

症状の出方から、中枢性睡眠時無呼吸を疑っていますが、現在のところはっきりはしていません。
検査としては、まずはポリグラフィー検査というものをするとよいと思われます。
当院で施行可能なのは、簡易型のポリグラフィー検査で、自宅で2晩続けて機械を装着し寝ていただき、機械を返却していただくだけで検査が完結します。
料金は3割負担の場合で2,500円程度です。

この検査の問題点は、「寝ている間に息がどう止まっているかを調べる検査」なので、「そもそも寝られない」症状を調べる検査ではないところです。
しかし、後述のCPAPを保険で使うためには、「何とか寝られた時間に息がどのくらい止まっているか」は必須の情報となります。

念のための心臓の検査

一般に、心不全に伴って中枢性睡眠時無呼吸が起きることが報告されているため、もし中枢性睡眠時無呼吸が疑われた場合、念のため下記検査を行っていただくこともできます。

  • 心電図
  • 心エコー
  • 血液検査(BNP)

また、呼吸の停止とともに「胸がドクンという感じがする」「眠気とは違う意識が遠のく感じ」などの不整脈が疑わしい症状が起きることもあります。
その場合は24時間心電図(ホルター心電図)を行うようにしてください。

なお、上記検査はいずれも当院で施行可能です。

数か月で治る方が多い

twitterでみなさんの体験を聞く限りでは、数か月で症状がかなり改善(~消失)することが多いようです。
呼吸の症状はどうしても死の恐怖を伴ってしまいがちですが、「いずれ治ることが多い」ということが分かっていれば少し安心できるのではないかと思います。

ポリグラフィー検査でかなりしっかり息が止まっている場合(AHIという指標で40を超えている場合)、CPAPという機械を使って治療することができます。
保険が効きますが、3割負担で月5,000円程度のレンタル費用が掛かります。
当院でもCPAPによる治療を行っています。

それでも改善しない場合は、ASVという機械を使うようです。
当院でも処方可能か、メーカーに問い合わせ中です。

その他、慢性心不全がある中枢性睡眠時無呼吸では在宅酸素療法が保険適応で利用可能なようですが、慢性心不全を伴っている方はかなり少数なのではないかと思います。

気持ちのせいではない

なお、上記症状は「気持ちのせい」で起きることはまずないと思います。
「自分の心が弱いせいではないか」等と思う必要はありません。