
2020/12/22更新
新型コロナ後遺症と胃食道逆流症
新型コロナ後遺症と胃食道逆流症(GERD)
新型コロナ後遺症では、非常に高頻度で胃食道逆流症が合併します。
一般に胃食道逆流症といえば
- 胸やけ
- すっぱいものが上がってくる感じ(呑酸)
という症状が有名ですが、実際にはこれらは見られないことが多いです。
逆に実際に多いのは、
- 息切れ
- 動悸
- 不眠(入眠障害、中途覚醒)
といったものになります。
胃食道逆流症だけであれば、そこまで症状は強くない印象なんですが、新型コロナ後遺症に合併したときに症状がかなり強いようです。
まずは生活療法
- 寝る前1時間は水を飲まないでください
- 寝る前3時間、ものを食べないでください
- 敷布団の下に毛布などを入れて、上半身を少し上げてください。
- 避けるもの:油もの、甘い物、炭酸、カフェイン(コーヒー、緑茶、紅茶、ほうじ茶など)
生活療法だけでかなり改善される方もたくさんいらっしゃいます。
薬物療法
生活療法だけでは改善しない場合に、薬を使用します。
よく使う薬は、下記の通りです。
- 胃酸を抑える薬
- 胃の動きをよくする薬
胃食道逆流症(GERD)と逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症(NERD)
似た用語がたくさんあるので混乱しがちですが、胃食道逆流症というのは「胃酸が食道に上がってくる病態」のことです。 そのうち、
- 内視鏡で所見が認められるもの:逆流性食道炎
- 内視鏡で所見が認められないもの:非びらん性胃食道逆流症(NERD)
ということになります。
新型コロナ後遺症では、非びらん性胃食道逆流症(NERD)が多そうな印象です。
オンライン診療について
新型コロナウイルス感染拡大に伴って、オンライン診療の規制が一時的に緩められており、初診でも薬が処方できるようになっています。
ただ、紹介状などがない限り、7日分しか処方ができない規則となっています。
実際には、1週間ごとに薬の変更を検討した方がよいことが多いため、あまり問題になることはないように感じています。
薬は自宅近くの薬局で受け取れるため、物理的な距離が問題にならないのはとても良い点です。
当院でも、全国の微熱の患者さんをオンライン診療で診察しています。