新型コロナ感染症・後遺症の記事

2020/06/16更新

【新型コロナの予防】ビタミンDで新型コロナの重症化が防げる?

文責: 神山 ほなみ

The role of vitamin D in the prevention of coronavirus disease 2019 infection and mortality. Petre Cristian Ilie, Simina Stefanescu, Lee Smith et al.
Aging Clinical and Experimental Research. 2020 May 6;1-4. doi: 10.1007/s40520-020-01570-8. Online ahead of print.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32377965/

欧州20カ国を対象に、ビタミンDの平均濃度と新型コロナウイルス肺炎の罹患率や死亡率の関連について調査した論文です。

概要

  • 新型コロナウイルス肺炎の罹患率・死亡率が高い南欧諸国(スペイン・イタリア・スイス)では高齢者のビタミンD平均濃度が非常に低かった。

    • 南欧諸国の人々は皮膚色素沈着のためビタミンD合成率が低い
    • 高齢者は日光を避ける傾向がある(ビタミンDは紫外線をあびる事で生成される)
  • 新型コロナウイルス肺炎の罹患率・死亡率が低い北欧諸国(フィンランド)ではビタミンD平均濃度が高かった。

    • タラ肝油・ビタミンDサプリメント・乳製品などを日常的に摂取している人が多い。

本研究より、ビタミンD平均濃度が高いほど、新型コロナウイルス肺炎の罹患率や死亡率が低いという負の相関が認められた。

コメント

この論文は当初非常にセンセーショナルに取り上げられましたが、解釈に注意が必要です。
新型肺炎感染者のビタミンD平均濃度を測定したのではなく、欧州の国民平均を対象としているため、新型肺炎の病状改善との関連等は不明です。
論文自体もビタミンD濃度を上げるべきとの結論には至っておらず、さらなる研究が必要と述べています。
また、ビタミンDサプリメントの過剰摂取による中毒症状を引き起こす場合もあり、安易な過剰摂取には注意してください。
しかし、適度な日光を浴びて運動する事は生活習慣病予防の上でも大切です。
特に高齢の方は、1日中室内で安静にしているのでなく、感染対策をしっかり行った上での日光浴・運動を心がけましょう。