新型コロナ感染症・後遺症の記事

2020/08/03更新

長期間続く微熱について

(2020/9/21追記)

以前からおられた長期の微熱の患者さん

以前から、長期間の微熱を訴えてこられる患者さんは少数ながらおられました。
皆さん、膠原病、甲状腺、HIV、その他いろいろな検査を受けて異常なく、当院にたどり着かれた方々。
漢方を2,3か月飲んでいただくとたいていはあとぐされなく治ってしまって、何だったんだろうねとなっていました。

新型コロナウイルス感染拡大後に増えた微熱

しかし2020年3月からは、様子が違います。
長期間続く微熱の人が急激に増えました。
以前の人たちよりも多彩な症状をお持ちで、2,3か月治療しても、完治しません。
倦怠感が強いことも、以前とは違う点。
漢方も、通常量ではあまり効かず、量を増やさないと効かないことが多いです。
(逆に言うと、量を増やせば、日常生活に支障がないレベルまでは改善されることが多いです)


多彩な症状

比較的多い症状は下記の通りです。

  • 長引く微熱(断続的な場合含む)
  • 倦怠感
  • 疲れやすい
  • 胸の違和感
  • 喘息様の症状
  • のどの違和感
  • 呼吸苦
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 関節痛
  • 頭に血が上る感じ、ほてる感じ、頭痛
  • 悪寒
  • 皮疹

利用する漢方

舌にむくみがあるかどうか、赤みがどうかで判断して漢方をチョイスし、大目に処方することで体に合った漢方を選びやすいようです。


関節痛(特に下半身)

上記に加えて、下半身に痛みが出やすい患者さんも時々おられます。
その場合は、血虚向けの薬で下半身の痛みによく使われる漢方を頓用で使っていただくと良いことが多いようです。
ただし、潜在的に胃腸にダメージがある方が多いようで、地黄が入った漢方を常用するときついことが多いです。
(屯用ならたいてい大丈夫なようです)

咳・喘息様の症状

風邪などを契機に喘息になってしまう方は以前から多いのですが、今回も一定数おられるようです。
喘息や咳によく使う漢方を屯用していただくと改善されることが多いようです。
必要に応じて西洋医学の薬(ステロイド吸入やモンテルカストなど)も用います。
当院は西洋医学の薬も積極的に使います。

頭に血が上る感じ、ほてる感じ

血虚・気虚向けの漢方で、巡りをよくする漢方を屯用すると改善することが多いようです。

悪寒

感冒でよく使われる漢方を、体力に応じて屯用で使っていただくと楽になることが多いようです。

逆流性食道炎

自粛生活で、体重が増えたり飲酒量が増えたりしていると、逆流性食道炎がおきやすくなります。
逆流性食道炎では、

  • 動悸感(脈をみると普通)
  • 胸の苦しさ
  • 胸の痛み
  • のどの違和感・痛み

などが起きるため、紛らわしいことがあります。
微熱に合併することもあるのでさらに難しいのですが、胃酸を抑える薬、胃の動きをよくする薬などを用いると改善します。
ただ、薬を飲み始めてから、改善が始まるまで2週間ほどかかることがあるため、少し根気が必要です。


推奨検査

微熱を起こす他の病気を否定しておく方が良いため、下記検査をお勧めします。

  • 一般的な検査

    • 白血球数、CRPなど
    • 肝腎機能検査
  • 甲状腺機能の血液検査
  • 膠原病の検査
  • レントゲンなどの呼吸器の検査
  • (必要に応じて)心電図

その他、症状に応じて検査を受けておくことをお勧めします。

当院で利用できる自費検査

ご希望の方には、下記自費検査を行うことができます。
念のために状況を把握しておきたい方向けであり、必ず施行しなければいけないわけではありません。
(料金はいずれも税込です。)

  • PCR検査(唾液もしくは鼻咽頭ぬぐい液)

    • 発症から長期間経っている場合はまず陽性にならないのと、高額なため、あまりオススメしません。
  • 新型コロナIgG抗体

    • 「たまに」陽性の方がいらっしゃるため、行う価値はあります。陽性で症状があれば、「新型コロナ感染後遺症」の確定診断で診断書をお書きすることができます。
  • 高感度トロポニンT(TnT)

    • 心筋炎など、心臓が心配な方向けの検査です。無症状でも心筋炎が起きていることが報告されており、念のため行っておく意味はあります。(はっきりした胸部症状があれば、保険で検査できる場合があります。)
  • Dダイマー

    • 保険が通らないため、やむなく自費で検査している項目になります。血栓症の傾向の有無を確認する検査です。

PCR検査・抗体検査・その他検査について


改善するときのパターン

いきなりよくなるということはあまりなく、たいていは症状の波の間が広くなり、症状がマシになって、徐々に改善していくことが多いです。
日常生活に問題がないレベルになったら、第一段階クリア。
あまり症状が気にならなくなれば第二段階クリア。
症状がまったくなくなれば第三段階クリアですが、無理をするとぶり返すこともありますから、あまり無理に体を動かさないようにしてください。


治るまでの期間

「いったん症状がなくなる」人はそれなりにいらっしゃいますが、1か月後にぶり返すこともあるため、どの時点で「治った」と言えるのかがはっきりしないことが多いです。