膵臓の「未病」について

2020/08/03更新

お手軽セルフチェック

膵臓は、「病気になるかなり手前で症状が強く出てしまう方」と、「相当病気が進んでからでないと症状が出ない方」が多いという印象を持っています。
したがって、症状がないからといって、膵臓の病気ではないとは言えないのですが、一つの目安として、ご自身でチェックしてみるのも良いだろうと思いますので、チェックリストを作ってみました。

  • 長く続く微熱
  • だるい
  • すぐに疲れる
  • すぐに眠くなる
  • 繰り返す腹痛
  • 左の背中の痛み
  • 空腹のまま時間が経つと、発作的な冷や汗、気分不快などの症状が出ることがある(低血糖症状)
  • 強く腰をひねったあとに左側の腹部や背中が痛くなることがある
  • 前屈したあとに左側の腹部や背中が痛くなることがある
  • 吐き気がよく起きる
  • 子どもの頃から油ものが苦手
  • 食べると胃がもたれた感じがする
  • 油ものの摂取や飲酒後の下痢
  • 油ものの摂取や飲酒後の腹痛
  • 食べても太れない、または食べられない
  • 大人になってからアトピーなどの皮膚症状が出た
  • 血のつながっている家族に膵臓病の人がいる
  • 血のつながっている家族に糖尿病の人がいる
  • 健康診断で糖尿病、または糖尿病の気があると言われたことがある
  • 不安を強く感じる

当院での診療では、これらに該当する方が多いように思います。
まだデータは取っていないのですが、半分くらいに該当すると「膵臓が弱い・敏感」が疑われるように思います。

なお、例えば
「長く続く微熱」を起こす病気には結核や膠原病、感染症、膿瘍など様々な疾患がありますし、
「倦怠感」は上記の病気に加えて、甲状腺疾患などの内分泌疾患、睡眠障害などでもよく見られる症状です。
「すぐに疲れる」「すぐに眠くなる」は睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなども考慮が必要です。
「左の背中の痛み」は尿管結石や逆流性食道炎、胃・大腸などの疾患のことがあります。
「低血糖症状」については、反応性低血糖や、症状が強ければインスリノーマなどの疾患を考える必要もあります。
「腰をひねった後の痛み」「前屈のあとの痛み」については整形外科系の疾患の可能性もあります。
糖尿病の方やその家族が全員「膵臓が弱い・敏感」なわけでもありません。
したがって、上記チェックリストは、診察を受けずに自己判断するための材料ではなく、あくまで「参考材料」として利用するにとどめてください。