
2020/06/04更新
気胸について
気胸について
気胸とは、何らかの原因で肺に穴が開き、肺と胸壁の間(胸腔)に空気が溜まる病気です。 穴が開いた肺は潰れてしぼみ、突然の胸痛や息苦しさが出現します。
原因
自然気胸
特発性→10-20代の長身痩せ形男性に多く、肺表面にできた嚢胞(ブラ・ブレブ)が破裂する事で起こります。
続発性→肺気腫・間質性肺炎など既存の肺疾患に合併して起こります。
特に急激な気圧変化で発症しやすくなります。
例)
- 飛行機
- ダイビング
- 便秘時のいきみ
- ダンベルトレーニングなど
外傷性気胸
交通事故や転落により、肋骨が折れて肺に刺さる事で起こります。
症状
最も多い症状は
- 突然の胸痛
- 息苦しさ
- 咳
です。
重症化すると
- 激しい息苦しさ
- チアノーゼ(唇が紫色になる)
- ショック(血圧の急激な低下)
をきたして命にかかわる場合もあります。
一方で無症状や胸部違和感程度の事もあります。
検査
胸部画像検査(レントゲン/CT)
胸腔内の空気・潰れた肺を検出し、気胸の重症度を3段階で判定します。 また、気胸の原因となりうる既存の肺疾患についても確認します。
治療
保存的治療
軽度の気胸であれば数日間の安静療養で自然に肺の穴が塞がり、元の大きさに戻ります。
中程度である場合、側胸部から針やチューブを挿入し胸腔内の空気を抜く治療を行います。
(胸腔ドレーン挿入・胸腔穿刺)
外科治療
重度の気胸や保存的加療で改善しない場合、再発の場合手術を行います。 病状によって開胸手術か胸腔鏡手術を選択します。
予後
自然気胸は再発する可能性があります。
- 保存的治療で改善した場合の再発率: 約30-50%
- 胸腔鏡手術後の再発率: 2-14%
- 開胸手術後の再発率: 0-7%
と報告されています。
再発防止方法
再発防止方法としては、
- 手術がもっとも有効
- 禁煙
- 特に高齢者の場合は栄養状態改善が重要
とされています。
気胸は一般に致死率は低く、適切な治療にて改善する病気です。
一方で再発する事も多いため、突然の胸痛や息苦しさを認めた場合は早めに受診しましょう。